風太の事 (5) 犬の帰巣本能?

 
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 風太が1歳の時、一旦迷子になりながら、暫くして単身無事に家に帰ってきた事を(2)に書いたが、犬の帰巣本能に再び驚かされたのは、八王子から都心へ向かい25kmほどの所へ引越しをした風太が13歳の時の事だった。

 移転後も今までと同じように、毎日朝夜の2回風太を連れて散歩した。

2‐3日は見知らぬ所へ来たとばかりウロウロと歩き、初めて会う見知らぬ犬とお互いに探るようにしていたが、3‐4日たった頃から、引っ越してきた西の方角の方へリ-ド紐をグイグイ引っ張り出した。

 1‐2日はそれでも新しい移転後の住まいへ強く引くと、不満そうながらも戻っていたが、4‐5日たった位から、ハアハアと荒い息をしながら懸命に西の方角へ行こうとする様になった。

 戻って帰ろうとすると、クゥ-ンクゥ-ンと泣く様な悲しい声で抵抗する。

 そんな日が続いた。

 家族で「元の家の方角へ帰ろうとしているのでは?」と感じ始めた6日目の事だ。

 夜、散歩に連れ出したが、必死に西の方角へ行こうとして、帰ろうとしない。

 やむを得ず抱く様にして帰り、足を洗って家の中え入れたら、居間を走るように2‐3週した後、急に階段を上り、開いていた2階の窓から、引っ越してきた八王子の方角へ向かい、首をいっぱいに上げて、興奮しながら「ウォォ-ン、ウォォ-ン」と、全く狼と同じ姿勢で、同じような声で、背伸びをしながら、遠吠えを始めた。

 まるで「帰りたいよ!‐‐」と叫ぶが如く、あるいは「オレは此処にいるぞ!‐もうすぐ帰るからなぁ‐‐」と仲の良かった八王子の近所の犬友達たちに知らせるが如く、7‐8回も続けて、長く尾を引く声で、狼の如く吠えた。

 近所の家の方々はビックリしたのではないか?

 思わず抱きしめて宥めたが、凄まじい犬の本能に触れた思いがして感動した。

 多分、放してやれば、文明の障害が無ければ、八王子まで帰れるのではないだろうか?。 

 わずか、1歳の時も戻れたのだから‐‐。

 その後、水を飲み、ご飯を食べて、ようやく静まった。 

 翌日からの散歩も西へ、西へとリ-ドを引っ張ったが、3週間経った頃から、ようやく移転先を新居として慣れ始めた。

 徳島の美浜海岸の海亀は、卵から孵ったあと、海を1万キロ以上も泳いで、メキシコあたりから回遊して帰ってくるとか、
 鮭も大海原を経て、生まれた日本の河へ戻って産卵すると言われる。 

 他にも、多くの鳥や、動物たちがふる里へ戻ると言われるが、人に飼いならされた犬にも、まだ明らかに強烈な帰巣本能が残っていると知り、うれしい感動だった。 

 

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