「風太」の事 (2)

 3ヶ月くらい経った頃、家族が2階へ上がると、「風太」は階段下で吠えまくるようになった。
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おいでと呼んでも、片足だけを一段目に恐る恐る乗せて、腫れ物に触るようにすぐ足を引っ込めてしまう。

 両足を1段目に乗せてやると、上へも下へも動けなくなって泣く様に吠えた。( 写真右)


 しかし2‐3日して、恐る恐るへばりつくように、1段づつ慎重に昇り始めた時は、家族の大声援を受けながら見事に上まで登りきり、偉そうに尻尾を大きく振りながらほえた。 


 ところが、今度は下へ降りられない。 

 下から呼んでも、下を覗いただけで足がすくみ、片足を下ろそうとしては、すぐ引っ込める。

 2階から下を覗きこんで、恨めしそうに鳴く。 (写真-下)

 
 付きっ切りで、下え降ろしてやる事が2‐3日続いたが、覚え始めたら4-5日もすると、一人で上下し始め、一週間後にはもう走るように、勝手に上下した。画像

 犬は1年経つと「人」の17歳くらいになると言うが驚く事が色々起こった。

 夏になり、扇風機を使っていた時、「風太」が傍によると危ないので、近づくと「ダメ!」と大声で教えていた。

 ある日、我が家へ来た赤ちゃんがヨチヨチ、ハイハイしながら扇風機の方へ進み始めたら、それまでうずくまって寝ていた様に見えた「風太」が、スゥ-と立ち上がり、赤ちゃんと扇風機の間に入り、人間より先に、ワンワンと大声で吠え始め、危険を知らせた。

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   写真は小さな子供たちより「兄さん」ぶる「風太」
 
 風太には台所と客間には這入らない様に躾けていたが、赤ちゃんがハイハイしてそこに這入り始めると、そこは「ダメだ!」とばかり大声で吠えて教えた。 

 「赤ちゃん」がそこから出るまで吠え止まない。

 半年くらい経った頃、娘が駅前の商店に連れて行き、ほんの1‐2分外に繋いで買い物をしている間、どうしたはづみか、リ-ドから首輪がはづれ「風太」が行方不明になった。

 娘は急いで周りを探したがどうしてもみつからづ、30分ほどして歩いて8分ほどの家に半べそで帰ってきた。

 家族でいくら探しても判らない。

 ところが1時間ほどして、ワンワン悲しそうな犬の泣き声が聞こえてきた。

驚いて家の外へ出てみると、風太が50mほど先の家のフエンスに首を挟まれて、我が家の方角に向かって懸命に吠えている。
 
 店から家までは、東京駅の丸の内側から八重洲口迄行かねばばならないくらいの障害がある。

 その間、橋があるとはいえ、間に鉄道の堀線路があり、自動車の多い大きな20m道路もある。

 朝、夕散歩させていたが、その店のほうには行っていなかった、にもかかわらづ、戻って帰って来た!。
 
 犬の歩幅から考えれば4‐5kmは有るように思うし、店から家までは、道ではコの字型の、グルッ-と回らなければならない位置なので、1歳で良くぞ帰った!とびっくりした。

 帰巣本能だろうか?  まことに感動した。

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